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シャーロック・ホームズは女である

 最初に断っておきます。「シャーロック・ホームズは女である」という説は、 私が考えたものではありません。すでに研究発表されています。 またホームズが女性であることを隠して事件を解決していたという小説も書かれています。 但し、私は「シャーロック・ホームズは女である」という発表を聞いても読んでもいないので、ここでは自分なりにこの問題を証明してみたいと思います。


「シャーロック・ホームズは女である」という問題を証明するために ホームズ物語60編のなかから、その証拠となる部分を抜き出したいと思います。 以下()は、ホームズ物語の題名です。
  1. セントクレア夫人に「私はこれまでに数え切れないほど、女性の直感のほうが 分析的推理家の結論より価値があることを目撃しましたよ」(唇のねじれた男)
    女性嫌いであるホームズが自分よりも価値があると言っている。

  2. 「玄関のベルに続いてホームズの甲高い、高すぎると言ってもいいほどの声が 聞こえた時は本当にびっくりした」(株式仲買人)
    この事件は、1889年6月ごろ起きたとされている。この時ホームズは、35歳。 もう変声期は、とっくに過ぎている。

  3. 「ホームズは競馬の事をあまり知らない」(ショスコム荘)
  4. 「有名なラグビー選手の失踪事件を頼まれるが、このときもアマチュア・スポーツについては全然知らない。」(スリー・コータの失踪)
    ヴィクトリア王朝時代のイギリス紳士たる者。多少は知っていても良いのではないか?

  5. 「ホームズが夜10時過ぎまで起きていることは、めったになかった。 そして朝は決まって私が起き出す前に食事をして出かけているのだった。」(緋色の研究)
    ワトスンは夜おそく帰ってくるが、ホームズはクラブやバーなどに行くという事はないので、 早く寝るという事である。これは普通の男と女の姿ではないか?

当時(ヴィクトリア王朝時代)のことを考えると上記1〜5は、ちょっと気に掛かる。 と言っても確証にならないし、それぞれ解釈の仕方を変えればそれまでである。 次に、ホームズ物語の中に書かれている事ではなく、書かれていない事。ワトスンが実際に見ていない事について検証する。
  1. ホームズがヒゲを剃る場面は一度も出てこなかった。 ホームズはワトスンの寝室の窓が右側にある事をワトスンのヒゲの剃り具合から当てる場面がある。(ボスコム谷の惨劇) しかし、ホームズには、そんな場面は一度もない。ホームズが事件の為に徹夜して、その朝すぐ事件現場に向かう事があるが、この時にもホームズがヒゲを剃る場面は出てこない。
     また、(バスカヴィル家の犬)ではホームズは何日間も小屋ですごすのだが、その時もホームズに不精ヒゲは生えていない。
    ヒゲの生えない男はいないのではないか?。

  2. ホームズは、フェンシング、ボクシング、棒術それと日本のバリツに熟練していたが、このうちどれもワトスンの前でやったものはなく、フェンシングについては、一言も書かれていない。
    ボクシングについては、「懸賞ボクサーにダブルパンチをお見舞いした」(四つの署名)、「左ストレートが決まった」(美しき自転車)。バリツについては「バリツでモリアーティと闘った」(最後の事件)。と書かれている。但し、ダブルパンチも左ストレートもバリツもワトスンが見ていないところでの事である。
     まるでホームズ物語を読んだ悪党たちに自分は武道家であり襲い掛かってきても無駄だと思わせているみたいである。今の時代なら女性でもこれらを習う所があるが当時は女性がこれらを習うなどという事は出来なかったはずであり、ホームズは実際にはこれらの武道はできなかったのではないか?  その証拠にワトスンがいっしょにいる所では「助けてぇ、助けてぇ、人殺しい」という悲鳴をあげている(ライゲートの大地主)。ワトスンは「もしも派手な立ち回りが予想される事件で、勇敢で頼もしい同氏が必要なとき、私の役割は、おのずと明らかである。」(這う男)と言っている。これは、ホームズが腕に自身がなかった証拠。 ホームズはいつも犯人と闘うような時には、ピストルか特別大きなステッキを持っていくのである。

ヒゲの生えない男と武術が使えないのに使えると行って虚勢を張る男。ちょっと不思議です。 次に物語全般を通しての検証です。
  1. ワトスンというダメな人間の必要性
    1. レストレイド警部がかわりになる。
    2. 頭脳の刺激には友達ではなく、タバコ、コカイン(四つの署名)で充分なのではないか?
    3. 棒術、フェンシング、バリツの達人だったので用心棒の必要は無し
    ワトスンという男性は、単純に友人として必要だったのでしょうか?

  2. ホームズの変装 牧師、馬丁、こじき、お婆さん等に変装している。一般的に男が女に変装するのは難しく、女が男に変装するのは容易である。
    (ボヘミアの醜聞)ではオペラのプリマドンナで美声の持ち主のアイリーン・アドラーは 「長外套を着たほっそりした青年」に変装して「ホームズさん、こんばんは」と挨拶を している。ホームズの変装は、ヘタをするとただのオカマになってしまうのではないか? 当時は、同性愛者などは、迫害されていたのにそんな危険を犯してまで変装をしていたのでしょうか?

ホームズにとってのワトスンの必要性。そしてホームズの変装。 女性でないと必要がない、出来ないのではないでしょうか? さて、最後に
  1. 「ワトスン、女性は君の領分だ」(第二の汚点)
    いくら女嫌いでも、男であるホームズがこんな事を言うのはおかしい。 実はホームズは女であり女より男の方が女が分かると考えたホームズが 男であるワトスンにこう言ったのではないか。
    また、こう言うからには、ワトスンとホームズは性が違っていなくてはいけない。

  2. (四つの署名)でメアリ・モースタンを見送ってからワトスンがホームズに「なんて魅力的な女性なんだろう」と言うとホームズは「そうかね、気がつかなかった」と言っているが、これはまるで同姓に対する嫉妬かひがみのようである。
     また、ワトスンがメアリ・モースタンと結婚すると言うとホームズは「そんな事になるんじゃないかと思っていたよ。しかし、残念だがお祝いを言う気にはなれない。」と言っている。
    これは男同志の会話には思えない。

ここまでくるとホームズの発言は、どう考えても男性の発言とは思えなくなってきます。
以上をもって「シャーロック・ホームズは女である」という問題にたいする答えにしたいと思います。
いろいろ書きましたけれどこれを読んだ皆さんは、どう思うでしょうか? ちなみに私の考えでは、当然ホームズは・・・。


追記> 実は、これは私が大学の時にサークルで研究発表したものを多少手直ししたものです。
当時サークルで発表した後に学園祭で展示発表したら感想ノートに「ホームズは女なわけないでしょ。バカ。アホ」等とさんざん書かれてしまいました。(T_T)





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